読了。東野圭吾『予知夢』
東野圭吾氏の短編集を読むのはこれで2冊目か。
1冊目は『探偵ガリレオ』だった。
こちらの予知夢もまた、中古で購入したものだ。
表紙の色褪せ具合がなんともそそる。
そしてそこに年数も感じる。
実にいい具合だ。
『予知夢』は第1刷が2003年8月10日、とある。
今日が2023年の8月12日なので、ちょうど20年の歳月が経過していることになる。
だが、この小説群はまったくその色が褪せることもなくここに存在している。
短編集ということで、かなり気楽に、気軽にさくさく読める。
ちょうどそう、ドラマを見ているかのような感覚だ。
長編を読んでいる人かすると少し味気ない完結の仕方でそれぞれが終了しているように感じるかもしれないが、またそこがいい。
東野圭吾氏は推理とミステリの中間にいるような気がする。
ミステリというのはそこから未知の世界へと広がっていくが、そこが東野圭吾氏とは少し違う。
東野圭吾氏のストーリーには、そのあとに余韻を残しつつも、終結、という1つの形を成している。
トリックにより無限に広がりかけた世界が、ガリレオによってキレイな放物線を描いて集結し、終結する。
それが東野圭吾氏の持つ独特の世界だ。
今回もこれはもはや心霊分類のストーリーであって、科学では決して解決されないだろう!と読み進めたストーリーが見事に科学によって終結されている。
特に『騒霊ぐ』の章では、これは科学では解決できない力が働いている、と強く感じた。
だがストーリーは意外な結末を迎える。
そしてそれは誰もが納得のいく方向で、きちんと美しく終わるようになっているのだ。
この著者のいくつの顔に見惚れたらよいのだろう―
東野圭吾氏の経歴をこれまでよく知らずに著書を読んできたのだが、ここに来て改めて経歴を拝見し、これは、なるほど、と納得をした。
と同時に、理系文系問わず、その広がる空想力と確かな知識にただただ感心をさせられたのである。
今回も短編という短いストーリーの中に、トリックだけではなくしっかりと人間関係が描かれていた。
そこもまた、東野圭吾氏の魅力の1つなのだろう。
私も東野圭吾氏が好きだよ!など、コメントはTwitterにお願いしますね(*´ω`*)
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