人魚の眠る家―東野圭吾
長い・・・長い夢を見ていたかのようなストーリーだった。
テーマは重く、「人の死とは?」「愛とは?」を問いかけるようなストーリーだった。
展開が読めず、いつも通り面白い本ではあった。
面白い?いや、深く考える本だった。
東野圭吾の本は展開が読めないのは当たり前なのだが、今回ほど奇跡を信じて読んだものはなかったかもしれない。(いや、それも毎回言ってるかも)
ストーリーは淡々と進んで、東野圭吾作品のわりに強弱は少なめかもしれない。
淡々と進んで、最後にひっくり返されるような感じかもしれない。
この本は脳死がテーマだが、自分の身近なところで同じようなことが起きる可能性は限りなくゼロに近い。
だから、とても想像を超える本であった。
また、そのためか主人公の心を探りながら読んでいくフシがあった。
理解できない感情も多く描かれた。
もし、自分が、同じ立場に立ったら?いや、それすら想像ができる範疇ではない。
「答えてください、娘を殺したのは、私でしょうか」
そうとも言えるし、そうでないとも言える。
篠原涼子はこの本の帯で「この世には狂ってでも守らないといけないものがある」と記しているが、果たしてそうなのだろうか?
私は同じ状況になったときに、同じように狂うことができるかと聞かれると、正直自信はない。
いや、狂っているのか?狂っていないようにも思える。
とにかく終盤まで、母親である薫子の心境は理解ができなかった。
しかし、見事にその理解は終盤で回収される。
一言でいうと、安心できる本ではない。
夜コーヒーを飲みながら、ホッと一息、という本ではない。
展開を、貪るように、読む。
そういう本かもしれない。
読んだ後の心境は二分するかもしれませんね・・・
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