映画「blank13」
実にいい映画でした。
余韻を楽しむというか、余白を楽しむというか。
小説を読んでいるかのような映画でした。
大好きな高橋一生さんと、リリー・フランキーさんが主演のこの映画。
高橋一生さんはドラマ「名前をなくした女神」の頃から注目していて、その演技の幅に驚かされ、そしてその驚きは毎回更新し続けられています。
彼の演技は、目線やちょっとした仕草でその役の性格や人間性を表すところにあると思います。
とても丁寧な演技をされますね。
今回も、どこか少し暗さのある役柄で、父親のことを嫌いながら尊敬している部分もある、という複雑な心境を演じていらっしゃいました。
リリー・フランキーさんもまた、大好きな俳優さんです。
人間臭い人間を演じさせたらなかなか右に出る人はいないのではないかと思っています。
彼はよく貧困を演じます。
貧困のなかにある温かさ、彼の持ち味だと思っています。
屈託のない笑顔も安心させられる表情ですね。
しかし今回も複雑な役柄の内心の様子を見事に演じられていました。
今回。
驚いたのがまた斎藤工さんです。
何の情報も見ずに映画を見始めたので、最初誰が演じているのか一瞬わかりませんでしたが、声でわかりました。
イメージのがらっと異なる役柄でした。
斎藤さんは劇中ほとんど喋りません。
ですが、その静かな演技は確かに光っていました。
特に、後半の心の変化の様子は見事なものでした。
EDの曲が流れても、この映画は最後まで見ることをオススメします。
EDの曲のあとにも深い演技が待っています。
曲の歌詞、メロディとともに入ってくる静かな、でも深い感情。
この深い感情をゆるっと揺さぶっている監督は誰なんだろうと思い、監督名を見て驚きました。
この作品は、映画にも出演している斎藤工さんが、齊藤工名義で初めて撮った長編映画だそうです。
センスのかたまりを感じました。
なんと後半はアドリブだったそうです。
くすっと笑える瞬間も織り交ぜてあり、最後は温かいような、寂しいような、そんな気持ちになる不思議な映画でした。
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