【映画感想文】映画『酔拳』感想 ― ヒーローとは何かを思い出させてくれる一本

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ジャッキー・チェン主演の『酔拳』が期間限定でYOUTUBEにて配信されていた。

 

幼い頃も見た映画だが、やはりこの映画はカンフー映画の面白さが凝縮された傑作であると思う。
今の映画はストーリーも複雑で、映像技術も進歩し、派手な演出や壮大な世界観を持つ作品が数多く存在する。しかし、『酔拳』にはそうした豪華さとは別の魅力がある。
それは「ヒーロー映画とは本来こういうものだった」と思い出させてくれる力である。
物語は決して難しくない。主人公は未熟で、生意気で、失敗もする。そこから厳しい修行を経て成長し、最後には強敵に立ち向かう。
単純明快である。
だが、その単純明快さこそが良い。
観客は主人公と一緒に悔しさを味わい、一緒に成長し、一緒に強くなっていく。だからこそ最後の戦いに胸が熱くなるのである。
そして『酔拳』の素晴らしさは、単なるストーリーだけではない。
映画ならではの画面の使い方、アクションの見せ方、間の取り方が実に巧みである。
今のアクション映画では細かなカット割りやCGによって迫力を生み出すことも多い。しかし『酔拳』では違う。
観客に「今、何が起きているのか」をしっかり見せる。
ジャッキー・チェンの動きが分かる。
技が見える。
だから面白い。
戦いそのものが一種の演芸のようであり、スポーツ観戦のようでもある。

次はどんな技を出すのか。
どうやってこの状況を切り抜けるのか。
そうしたワクワク感が途切れない。
ジャッキー・チェンという俳優の持ち味も、この作品で最大限に引き出されているように思う。
強いだけではない。
どこか親しみやすく、失敗もする。
格好つけすぎない。
しかし決める時は決める。
だから応援したくなる。
彼の身体能力の高さはもちろんだが、コミカルな表情やユーモアのセンスも『酔拳』の大きな魅力である。
真面目一辺倒ではなく、笑わせながら魅せる。
この絶妙なバランスは、まさにジャッキー・チェンだからこそ成立するものだろう。

もちろん現代の派手なアクション映画も面白い。
爆発や銃撃戦、CGを駆使した超人的な戦闘にも魅力はある。
しかしベアたんが本当に見たいのは、こうした映画なのだと思う。
ただ敵を倒すだけではなく、カンフーそのものを魅せる映画。
技の美しさや身体の動きそのものが見どころになる映画。
アクションが物語の添え物ではなく、作品の中心にある映画である。
そして何より、この時代の映画らしい後味の良さも好きだ。
大きな伏線を残すわけでもない。
続編への布石を延々と並べるわけでもない。
戦いが終わり、悪者を倒し、主人公が成長したことを示して物語は幕を閉じる。
それで十分なのである。
観終わったあとに余計なものを引きずらない。
爽快感だけが残る。
まるで気持ちの良い風が通り過ぎていくようなエンディングである。

『酔拳』は決して古い映画ではない。
むしろ、時代が変わった今だからこそ、その面白さが際立って見える作品だと思う。
ヒーローとは何か。
アクション映画の楽しさとは何か。
その原点が詰まった一本である。

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Posted by bear-tan