【映画感想文】自然体で描かれる愛と強さ『抱きしめたい～真実の物語』感想（ネタバレなし）
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普段あまり実話を元にした映画というのは見ないのだが、少しサムネイルに惹かれて見始めた。
北川景子氏と錦戸亮氏主演の映画である。
事実に基づく映画を見るのはそもそもあまり好きではない。
どこかに誇張されたような表現を感じたり、わざとらしさを感じたりすると演出のあざとさが透けて見えて、それが嫌だからだ。
しかし、本作はそんなあざとさはさほど感じなかったように思う。
確かに泣ける、泣ける、と言われて見に行った人の中には泣けなかった人もいただろう。
だが、本作は自然と心のなかにズシッと大切なものを気付かされるような、そんな作品だったと感じた。
北川景子氏演じる活発、そして可愛らしい気の強さを持ち合わせたヒロインは障がい者である。
先天的ではなく、後天的な障がい者であるが、だからこそなのか明るさを感じる瞬間も多い。
だが、障がいというものを抱えたものの感じる、独特の哀しみもある。
なぜ、どうして、私が。
彼女は自分の中のそんな問いかけにも負けない。
主人公である錦戸亮氏が惹かれていくのもわかる気がする。
彼は、彼女のそんな強さとしなやかさに惹かれたのだろう。
この作品には事故・障がい、そして死という重いテーマが描かれている。
しかしながら、作風はどこか明るい。
ヒロイン最後のシーンまで重たさをあまり感じさせないで進む。
ベタな恋愛シーンが苦手な私でも、甘々でもなく、重々でもなく見ることができた。
記憶障害の辛さがあまり表現されていない部分は多少引っかかりを感じはしたが、その他は障がいがあるものの内面の一部を垣間見ることもできたと思う。
誰かを想う気持ち、それが母親や父親、友人の立場などからも描かれていて感情移入しやすかったと思う。
最後のシーンは中盤の展開からなんとなく想像はついてしまったが、それもありきな映画だったように思う。
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