【ドラマ感想文】非常に面白かった。『離婚なふたり』(ネタバレなし)

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リリー・フランキー氏の映画を追いかけて見ようとして見つけた作品。

⏩️離婚なふたり

『離婚なふたり』。スペシャルドラマである。

とある、何気なさそうな夫婦が離婚に至るかどうか、その過程を描いたドラマである。

 

ヒューマンドラマは好きである。

人間の裏表や感情が見える瞬間というのは非常に興味深い。

特に、離婚なんていうものを題材にしたら、結構揉め事になる要素は満点である。

リリー氏は現実では独身らしいのだが、実に味のある父親・夫を演じる。

現実にいそうな、何ならそのへんにいそうな男性像というものを演じるには、もうこの人!というくらい配役がピッタリしている。

特に、『ちょっとダメな男』を演じさせたら右に出るものはなかなかいないのかもしれない。

妻役に小林聡美氏を配役した。

小林聡美氏もコミカルな演技、独特の空気感を持つ俳優である。

夫婦・・・

並んでみると、確かに夫婦に見える。

長年寄り添ったような、そんな空気感がふたりにはある。

さて、離婚。

離婚を考える時、強い理由・衝動を抱える人が結構多いように世の中を眺めてきたが、意外とそうでもないのかもしれない。

理由が見つからないが、将来隣にこの人がいることが想像できない。

そんな生活。

あるかもしれない。

本作は感情ドロドロな荒れる離婚ドラマではない。

夫婦というもの、長年一緒に過ごしてきたという年月。

それをゆっくり振り返りつつ考えるのである。

 

夫婦を長年続けていると、取り除けない澱みたいなものが蓄積するのかもしれない。

すっごい不快ではないけれど、どこか合わない、と思う瞬間も積み重なるのだと思う。

きっかけなんていうのは簡単なもので、ほんの些細なことでそのスイッチは入るのかもしれない。

夫にしてみれば「突然!?」と思うかもしれないが、生活を重ねていく中で、積もった小さな不満のようなもの・・・

それって、丁寧に取り除いていかないといけないものだったのかもしれない。

あるとき、それはもう取り返しがつかないところまで溜まってしまって、もうそこからは妻にとっては当然の成り行きなのである。

 

夫婦、というものをゆっくり深く、コミカルに考えることができる作品だったと思う。

自分に当てはめてみても、該当する部分もあるような。

どこの夫婦にもあるような。

そんなドラマだった。

 

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Posted by bear-tan