柄本明―父の貫禄 映画「センセイの鞄」
最近ハマって、柄本佑さんの映画を追いかけていたんですけど、もともとベアたんはお父様である柄本明さんのファンなんですよね。
しかし、映画を見始めたのはつい最近のことで、柄本明さんの出演作品というのはあまり多く見たことがありませんでした。
若い頃のイメージとしてはコミカルな方をイメージしていたのですが、その演技をまじまじと見る機会はとても少なかったです。
おそらくそれは、志村けんさんとコメディ番組で共演なさっていたイメージも強いのかと思います。
とても詩的な映画だったように思います。
恋愛映画だったけれど、普通の恋愛映画のように、恋愛が始まってからを追うのではなく、ゆっくりと、恋愛に至るまでの過程をなぞる映画。
年の差恋愛ということで、原作もですが賛否両論多かったこの作品ですが、丁寧に作られていて良かったと思います。
年の差があることで生まれる葛藤や苦悩、すれ違いを丁寧に描いてありました。
作中、小泉今日子さんが演じるヒロインが、幾度となくセンセイと呼ぶのですが、その呼びかけ方の移り変わりからも感情を感じられる、そんな作品でした。
ストーリーは本当にゆっくりと進んでいって、二人の奥ゆかしさにもどかしくなる瞬間もあるけれど、そこがまたいい味を出していたように思います。
柄本明さんの、昭和の紳士な役柄は本当によく似合っていたし、堅物、という役を好演していたように思います。
真面目で、奥手で、枠から外れることが出来ない。
そして、妻を想う気持ちもあってなかなか恋愛に踏み切れないその姿をとてもよく演じられていました。
揺れていく恋心を小さな仕草や目線、声色で演じていく姿は、まさに貫禄、でした。
冒頭にも書いた通り、柄本佑さんが好きなんですが、やはり、柄本明さんは父の貫禄。
ずっしりとくる演技は目が離せませんでした。
横で飲んでいるだけの二人なのに、芽生えた恋心というものをこうもして演ずるものなのかとただただ感動しました。
ラストシーンに近づき、二人がやっと心を交わす瞬間があるのですが、あのときの柄本明さんの眼力というのは、なんと言ったら良いものか。
目だけで「男」を演じる。
素晴らしい演技でした。
淡々と凪のように進んできたストーリーの中で、あの瞬間は嵐でした。
また柄本明さんが出演している映画を探してみようと思います。
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