【クリスマス】ベアたんが、サンタクロースから返事をもらった話【サンタクロース村】

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ベアたんは、小学校中学年くらいまで、サンタクロースの存在を疑ったことがありませんでした。
クリスマスは「信じるもの」ではなく、「そこにあるもの」だったのです。
冬の朝の冷たい空気。
少し早く目が覚めてしまって、布団の中で息をひそめる時間。
まだ暗い部屋の中で、胸の奥がそわそわと鳴っている感覚。
あの頃のベアたんにとって、サンタクロースは空想ではありませんでした。
世界のどこかにいて、ちゃんと自分のところにも来てくれる存在。
それを疑う理由が、どこにもなかったのです。
けれど、高学年になるにつれて、世界は少しずつ現実の顔を見せ始めました。
友達の言葉の端々に混じる、含みのある笑い。
大人たちの、はっきりとは言わない態度。
そしてある日、ベアたんは知ってしまいます。
「いわゆるサンタクロース」は、実在しないということを。
そのとき、泣いたわけではありません。
大きなショックを受けたわけでもありませんでした。
ただ、心の中が、すうっと静かになったのを覚えています。
あんなに確かだったものが、説明のつく出来事に変わってしまった。
世界から、色がひとつ減ったような感覚でした。
──もう、信じなくていいんだ。
そう思った瞬間、
少しだけ大人になったような、そして少しだけ寂しくなったような、
不思議な気持ちが残りました。

けれど、そのすぐあとです。
ベアたんは、もうひとつの「サンタクロース」の存在を知ります。
⏩️サンタクロース事務局
フィンランドに、サンタクロース村があること。
そこでは今も、世界中から届く手紙を受け取り、サンタクロースが返事を書いているということ。
その話を聞いたとき、胸の奥で、小さな灯りがともりました。
──本当に?
半信半疑でした。
けれど同時に、「もし本当だったら」と思ってしまったのです。
信じることをやめたはずの心が、ほんの少しだけ、前のめりになっていました。
ベアたんは、英語の勉強を始めました。
誰かに言われたわけではありません。
テストのためでもありません。
ただ、手紙を書きたかったのです。
辞書を引きながら、拙い英語を一文ずつ並べていきました。
文法が合っているかどうかよりも、「気持ちが伝わるか」を考えました。
自分の言葉で、自分の気持ちを書いてみたかったのです。
エアメールの封筒に宛名を書いたとき、手が少し震えました。
フィンランド。
地図の中でしか見たことのない場所へ、自分の心を送るような気がしたからです。

ポストに投函したあと、
ベアたんは待ちました。
返事が来る保証なんて、どこにもありません。
来なくても仕方がない。
そう思いながらも、心のどこかで、ずっと待っていました。
そして、クリスマス前のある日。
ポストの中に、見慣れない封筒が入っていました。
差出先は、フィンランド。
その瞬間、時間が止まったように感じました。
手に取った封筒は、不思議なくらい重く感じられました。
封を開けるまでの数秒間、ベアたんは久しぶりに、あの頃の自分に戻っていました。

中には、英語で書かれた手紙が入っていました。
文章自体は、印刷されたものでした。
けれど、最後に書かれたサインだけは、どう見ても直筆でした。
Santa Claus
その文字を見たとき、胸の奥が、じんわりとあたたかくなりました。
派手な感動ではありません。
涙があふれるような出来事でもありませんでした。
けれど、心の奥で、確かに何かが動いたのです。
──信じてよかった。
その一言が、静かに浮かびました。

それからベアたんは、
毎年サンタクロースに手紙を書くようになりました。
英語で。
一年に一度。
年を重ねるにつれて、
手紙の内容も少しずつ変わっていきました。
楽しかったことだけでなく、うまくいかなかったこと。
不安な気持ち。
自信をなくしたことも、そっと書くようになりました。
返事は、毎回ほぼ同じ形式でした。
大人の目で見れば、決まった文章だったのかもしれません。
それでも、ベアたんにとっては違いました。
世界のどこかで、自分の言葉が受け取られている。
それだけで、十分だったのです。

大人になった今、
サンタクロースの手紙は、子どものためのものだと理解しています。
それでも、ベアたんは思います。
サンタクロースは、確かに存在すると。
それは赤い服を着た誰か、という意味ではありません。
信じる気持ちを、「ちゃんと受け取ったよ」と返してくれる仕組みが、この世界に確かにある、ということです。

大人になると、一生懸命差し出した気持ちが、何の返事ももらえないことが増えていきます。
だから人は、期待しないようになり、信じることを、少しずつ手放していきます。
でも、ベアたんは知っています。
あの冬、遠いフィンランドから届いた一通の手紙が確かにあったということを。
信じた心は、無視されなかったということを。
その記憶は、
今でも、ベアたんの中で静かに息をしています。
サンタクロースは、今もフィンランドにいます。
そしてきっと、誰かの手紙を読み、返事を書いています。

信じる気持ちは、大人になっても、ちゃんと届くことがある。
ベアたんは、あの手紙を思い出すたびに、そう信じ直すことができるのです。

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Posted by bear-tan