【映画感想文】映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』【ネタバレあり】
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公開前から楽しみにしていた『沈黙の艦隊 北極海大海戦』を鑑賞してきました。

原作は未読なのですが、前作のドラマ版を観て深く感動し、「この物語の続きは必ず観よう」と心に決めていた作品です。
その期待に、今回の映画はしっかりと応えてくれました。
✄- – – – – – ネタバレあり – – – – – ✄
潜水艦同士の戦いという世界は、普段の生活ではなかなか触れることのない領域です。
舞台が北極海ということもあり、一度判断を誤れば命を落としかねず、救助も望めない極限の環境で行われる攻防は、静かでありながら張り詰めた緊張感がありました。
海中は視界が利かず、「音」だけが頼り。
状況を読み解く力と冷静な判断が、乗組員全員の生死を左右するという重みが終始伝わってきます。
その中で圧倒的な存在感を放っていたのが、大沢たかおさん演じる海江田艦長です。
窮地に立たされても表情を崩さず、状況を的確に見極め、最善の道を選び取っていく姿は見事でした。
発する言葉は多くないものの、一言ひとことに覚悟が宿っており、その低く落ち着いた声で放たれた「発射」は、場内の空気を一気に引き締める力がありました。
役柄との一致度が非常に高く、海江田という人物の魅力が存分に引き出されていたと思います。
さらに印象的だったのは、北極海での戦いだけでなく、後半に描かれたニューヨーク大艦隊戦です。
まさかソナーのみで勝負を決める展開になるとは思っておらず、静かな緊迫感と戦略の巧妙さに驚かされました。
音と読み合いだけで決着していく展開はこの作品ならではで、海江田艦長の判断力に加え、その判断を迷わず信じて支えた乗組員たちの技量と絆にも胸を打たれました。
また、本作は単なる海戦映画としてだけではなく、国家間の駆け引きや政治的背景も丁寧に描かれている点が印象的でした。
大統領としての責任と葛藤、総理大臣の苦悩、そして国際情勢が複雑に絡み合う様子が描かれ、ひとつの決断がどれほどの影響を世界に与えるのかを考えさせられます。
海中で行われる戦いが、決して孤立したものではなく、国家や世界の均衡と繋がっているのだと実感させられました。
映像や音響のクオリティも非常に高く、特に音は映画館だからこそ生きる迫力がありました。
潜水艦内部の緊張感、海中に響く音の重みが体にまで伝わるようで、映画館で観て良かったと心から思える作品でした。
前作ドラマを観てきた方の期待にも十分応える内容であり、海中での静かな攻防、国家の思惑が交差する重厚なドラマ、そして海江田艦長という人物の魅力が凝縮された作品だったと感じます。
観終わったあとも深い余韻が残り、思わず色々と考えたくなる時間が続きました。
スクリーンの向こうに広がる緊張と静寂は、今も頭の中で静かに響き続けています。
海中に沈む潜水艦の息遣い、微かな金属音、そして艦長の冷静な声――
すべてがまるで心の奥底に届くようで、映画館を出たあともその余韻が消えず、静かな緊張感と深い余韻が心の中にそっと残っています。
まるで北極海の氷の下でひそかに動く世界の一端を、そっと覗き見たかのような感覚が、今も胸の奥で静かに波打っているのです。
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